『誰にも言うなよ?』
どうして会長が嘘をつくのかは、わからない。会長が嘘つきだとも思いたくない。
それでもわたしはレオのことを疑いたくない。
会長は、笑顔を崩さない。
わたしに疑われているのに、こんなの、おかしい。
さっきまで天使に見えた会長が、今は怖い……。
「ハハッ」と笑うと会長が眼鏡を外した。
こんな状況で笑うなんて気味が悪い。
「……君、想像していたのと全然違うね」
「え?」
「てっきりなんでも言うこときく子だと思っていたんだけどな」