『誰にも言うなよ?』
*
千夏が向かった先は、2年の校舎だった。
一学年違うだけで大人なオーラの漂う先輩たちがウヨウヨいて、ただでさえ不良と間逆な格好をしているわたしは浮きまくっている。
(千夏……どこに行ったの?)
どうして千夏は、わたしを追い込んだりなんてしたのだろうか。
わたし、嫌われるようなことしたかな。
たとえ千夏が曲がったことが嫌いなタイプだとしても、さっきみたいにクラスメイトの前で晒し者になるように仕向けたりしないような気がする。
そんな子だとは……思えない。
なにか理由があるんじゃないかな。