『誰にも言うなよ？』

歪んだやつの相手なら慣れている。

出会った頃のレオは扱いが難しかったから。


そう思うとこの数ヶ月でアイツほんとに成長したなぁ。あんなに自分本位なことしか言わなかったのに。


今では人の気持ちがわかるようになったし、さりげなくフォローできるし、クラスの空気ガラッと変えちゃうし。


それもわたしを助けるために。


きっと元々そういう素質があったのだろう。


親が警察のお偉いさんって言っていたがリーダーシップ得意なのは血筋かな。


それが、色々あって歪んでしまっていただけ。


「君は失礼な子だね」

「……え？」

「僕といるのに別の誰かのことを考えているんだね」


そんなこと言われても……。

なんでわたしが会長のこと考えなきゃないの。


一緒にいたくているわけじゃないし。

なんなら口をききたくもないのにさ。

　
「思ったより元気そうだ。泣いてるかと思ったのに。たくましいね？」

「……おかげさまで。たくましく育ってます」

「皮肉もわからないの？」

「そっちこそ」