『誰にも言うなよ?』
「わたし、授業休みたくありません」
「君は本当に真面目な子なんだね。この僕と過ごすより勉強がしたいなんて……」
「黙れナルシスト野郎」
「……!」
あったまきた。
「残念ながら、あなたが乱そうとしたうちのクラスの空気はいい感じだよ」
「……え?」
「最初はわからなかった。どうしてあなたが嘘をついたか」
「…………」
「でも、わかった気がする。レオとわたしを引き離そうとしたんじゃない?」
「なぜそう思う?」
「わたしが一人になれば、わたしを簡単に潰せるって考えたんでしょ」
だけど、見事にそれに失敗した。
わたしはレオとお互いを信頼し合い、余計に強い絆で結ばれた。
「どうしてわたしを言いなりにしたいかは、よくわからないけど。下僕扱いしたいんだよね」
だからまわりくどいことをしてきた。
「今朝のことだって。千夏を使ってクラスでわたしを孤立させようとしたの……あんたなんでしょ? あんな写真でレオに愛想つかせようと考えたなら甘いよ」
レオは、疑うどころかわたしを庇ってくれた。
わたしの味方でいてくれた……。
「あれ。銀髪の彼は、あの写真があればショックで言葉も出なくなる算段だったんだけどなぁ」
やっぱりそうか。
会長は、わたしを一人にしたかったんだ。
「レオは、演劇を一致団結する方向でまとめてくれた」