『誰にも言うなよ?』
「お遊戯とはなによ」
「ボクは、小さい頃から本物の舞台を見てきたんだよ。あのレベルのことをクラスメイトができるとは思えないね」
「…………」
舞台かぁ。見に行ったことないや。
「やる気ある生徒は女子数名。それも、ボクのおかげ。わかってる?」
「……ハイ」
「使えそうなのは、そうだなぁ、倉田千夏とかいいかもねぇ」
(千夏が……?)
「あの子だったんでしょ。会長の犬」
レオの言葉に、雅人が顔をあげる。
「……うん」
「まさか倉田千夏がカミヤのこと調べ上げて。あんな写真用意してるなんて思わなかったよ」
「わたしも」
「そんな彼女なら、それなりに魅せる演技できそうな気がするなぁ」
「なるほど」
「あとは、イジワルな女の子役ならマナミやナナがいいと思うなー?」
それは想像しなくてもハマり役なのが目に見えている。
ただし、千夏も愛美も、それから菜々も。
声をかけたところで引き受けるとは思えない。