『誰にも言うなよ?』
映し出されたのは、学ランを着た坊主頭の少年。
中学生……?
「3年前の俺だ」
「はぁ!?」
「そんなに驚くなよ」
「や、だって……」
目の前にいるヤンキーが、こんなに爽やかな少年だったなんて。
「詐欺だ」
「はは。気持ちいいくらい素直だなお前」
「……また、笑った」
「元々感情は豊かな方だからな」
「沸点は、低そうですね」
「お前それ先輩に向かって言うことか?」
「口が悪いもので」
「嫌いじゃない。そういうヤツは」
ん?
「お前、来年生徒会入れよ」
……なぜ?
「嫌ですよ」
「どうして」
「あの性悪会長の犬にはなりたくないですから」
「そんなの俺だってなりたくねぇわ。ってお前、佐々木の本性見抜いてたのか」
「ええ。できれば知りたくなかったです」
これまで通り天使だと勘違いしていられたら、どれだけ平和に過ごせたことか。
「……なんか。話すと雰囲気変わりますね副会長」
「お前もな。木乃素子」
「どうして写真見せてくれたんです?」
「俺を見てビクついてるから。これ見りゃ笑うかなと」
「なんですかそれ」
……掴みどころのないひとだ。