『誰にも言うなよ?』
「そうなの?」
「学祭なんて興味ないし。面倒くさそうなのに。モトコとの思い出作りだって考えると俄然やる気でてくる。愛の力って凄いねぇ」
「嫌にならないの?」
「ならないよ」
「優しいね」
「優しくないよ。尽くした分、それなりに見返りが欲しくなるから」
「見返り……って……」
「このまま、さらっちゃいたいもん」
「っ、」
レオの手が、わたしの手に重なる。
「人ってさぁ。欲望の塊なんだよね」
「…………」
「それを抑えるために理性が備わってるんだろうけど。生憎ボクの理性なんてあってないようなものだから……さて。ハズレちゃったらどうしようかな」
そういうと、レオは手を離し視線を窓の外に向けた。
「グズグズしてたら強制的にボクのものにしちゃうよ?」
「…………」
「焦れったいのは苦手なんだ」