『誰にも言うなよ？』

「で。ノートになにを見つけたって？」


そうだ。

わたしはノートにある不審な点をみつけた。


だけど、今はそのことよりも

先生のヒミツを知った衝撃で、頭が真っ白になっている。


「れ……例の間違った解答なんですけど」


狼谷先生が


「おう」


元、暴走族……


「わたしの字じゃないんです」

「ほう」


ありえなさすぎる。

ほんとのほんとに？


「木乃？」

「あっ……えっと」


そんな美しい顔で見つめないでください。


喋れません。


慌てて先生から目をそらす。


「……これ、きっと、正解だった解答を書き換えられてるんです」

「なるほど。そんなことしてまで、芦屋に恥をかかせたやつがいるってことか」

「はい、おそらく……」


って、あれ？


「わたし、怒らせた相手がエリカっていいました？」

「いいや。でも、見当はついてた」