『誰にも言うなよ?』
「あっ……だから先生は『そいつ〝ら〟は授業に出ていたか』って、複数犯だと予想してたんですね?」
エリカのグループにわたしがイジメられてるって、察しがついていたんだ。
「そんなとこまでよく覚えてるな」
「記憶力には自信があります」
「ペットにしてやってもいいぜ、モト公」
誰がペットになんて……
というか、またそんな変な呼び方して……
「もう……なんでもいいです」
「いいんかい」
デスクの上のボロボロのノートがパラパラとめくれる。
……このとき、不覚にも
ほんの少しだけ
先生の前では素直になってもいいかもなんて思ってしまったのは、内緒だ。