『誰にも言うなよ?』


「え、ちょっと……」


強引に連れられてやってきたのは、保健室だった。


「保健室の先生いませんね」

「俺がみてやろう。どこだ?」

「え……だ、大丈夫です」

「遠慮すんな」


いやいや。遠慮とかじゃなくて。

狼谷先生に足の裏を見せるのは抵抗あるんですけど。


「たいした怪我じゃなきゃ、舐めてりゃ治るけどな?」


場所が場所なので絶対に舐めたくないです。


でもまあ、仕方ない。

とりあえず靴下脱ぐか。


ハイソックスをおろす。


「……木乃」

「はい?」


じっと見つめられる。

な、なに!?


「もしかして、誘ってんの?」


はぁあ!??


「そんなわけないでしょ。怪我したの、足の裏なんです。だから脱ぐしかないんですよ。ていうか、仮に誘っていたとして、真っ先に靴下から脱ぐのっておかしくないですか」

「はは。相変わらずツッコミがキレッキレだねぇ」

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