『誰にも言うなよ？』

一人がすきだ。

一人はラクだ。


仲間なんて、いらない。


この学校で友達作りする気なんて、ない。


だけど。


孤独って、自分が思うより

快適なものでもないらしい。


周りが敵だらけで

誰ひとりわたしを見てくれない環境は


……あまりにも、残酷だった。惨めだった。


あの男と話している間は

狼谷先生といる間は、素の自分でいられる。


あいつと過ごせば、こんなクソみたいな学校生活も楽しくなるのかな。


……なんてね。


なにを考えているんだろう。


相手は教師。


学校にいる間しか関わり合わない他人。


そんな相手に期待するなんてどうかしている。