『誰にも言うなよ?』


「ほんと?」

「自分でいうのもなんだけど、この学校に俺を敵にまわしたい物好きなんてそういないと思うから」


それもそうだね。青山くん人気者だし。


「……でも、それだと青山くん的には困るんじゃ?」

「なにが」


だってさぁ。

わたしみたいなのが彼女でいいの?


眼鏡でおさげで標準丈の、地味子だよ。

彼氏なんてできたことないよ。


いくらなんでも。たとえ仮の恋人でも。

さすがに釣り合わないんじゃ……?


それにほら。

おおっぴらに嫌がらせをする人は減ったとしても、今度は青山くんファンから闇討ちにあいかねない。


「俺はちょうどいいんだけどな」

「ちょうどいい……?」

「彼女いたら、女からの誘いも減るだろ」


は?


「つーことで。今から俺ら、恋人な?」


このひと案外腹黒いな!?

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