『誰にも言うなよ?』
「や……やっぱり、無理があるんじゃかいかなぁ」
「狼谷に勘違いされたくない?」
「そ、そんなことない!!」
あの男に勘違いされたところでなんのダメージもない。
「あんた、俺に言ったよな。教科書返すとき、『いくらでも頼っていい』って」
……ええ。言いましたとも。
「じゃあ決まりで」
そんなあっさり決めちゃうの?
こんなにカッコイイ人が……
わたしの“彼氏”?
いや、“仮の彼氏”だけど。
それでも、ほんとのほんとに!?
「とりあえず、キスでもしとく?」
「へ……?」
青山くんが、すくっと身を起こす。