『誰にも言うなよ?』


ドン、と菜々に押され


わたしは床に尻もちをついた。


「黙って言うこと聞いてればそれでいいって、なんでわかんないわけ?」


――そうか。


「素直にハイって言っときゃいいのよ」


良い子を演じるなんて、無意味なんだ……。


「あのダサ眼鏡の代わりに、イケメン教師でも来てくれないかなぁ〜」


ニヤニヤする、愛美。


「それな。あんな地味でキモいやつじゃなくてさ」


わたしの控えめな態度が、こいつらを調子に乗らせるだけなのだとしたら。


もう――こうするしかない……。

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