『誰にも言うなよ?』
「……そんなにわたしに相手して欲しいの?」
「は?」
ゆっくり、立ち上がる。
「して欲しいのかって聞いてんだよ……金魚のフン!!」
声を荒げたわたしに動揺する愛美と菜々。
まさか強気に言い返されるとは思っていなかったのだろう。
「調子のんなよ、チビ」
つり気味の目で睨みつけてきたのは、菜々だ。
背が高いだけに迫力もある。
ああ、もう、引き返せない。
そう思ったわたしは、菜々を睨み返した。
……大丈夫。私、負けてない。
目つきと口の悪さなら負ける自信がない。
エリカはひたすら沈黙を続けている。
やはり他の二人とは違うオーラがエリカにはある。
一番冷静で大人しいのにエリカにだけは歯向かうのが怖い。
「調子乗ってるのはどっちかなぁ」
ひるむもんか。こんな雑魚(ザコ)に。