なんかタイムスリップしちゃった姉弟が、新撰組とわちゃわちゃするお話2

?「あ、着物が濡れていますよ。

これどうぞ使ってください。」

隣からいきなり声をかけられ、体が驚きで震える。

そっちをみると、そこには優しい顔立ちをした男が立っていた。


「あ、ありがとうございます・・・・。」

差し出された手ぬぐいをつかって着物の濡れた部位をふく。

ある程度水分がとれ、それを畳み洗って返すために胸元に仕舞おうとすると、その男に止められた。


?「あ、大丈夫ですよ。」

「そうですか・・・?」

イーク「兄がすみません。」

?「いえいえ。」

濡れた手ぬぐいを受け取り、その男はそのまま立ち去ろうとする。

それを呼び止めた。

「・・・あの、あなたの名前は?」

伊東「私ですか?私は伊東、と申します。」

イーク「伊東さん、ありがとうございました!」

伊東「大丈夫ですよ。」


紳士のような笑顔を絶やさず去っていく伊東。

今まで見たことないし、先程挨拶していた中にいた気がするからおそらく今日新撰組に入隊したものの1人だろう。



・・・・あの笑み、立ち振る舞い、全てにおいてあいつに似ている。

顔は似ていない。だが、他人の空似というには似すぎている。


「伊東・・・。」


そう、小さく呟いた言葉は風によってかき消されたーーーー
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