fantasista
あたしは大好きなその身体に身を寄せた。
戸崎の香りとともに、湿布の匂いが広がる。
あたしはやっぱり馬鹿だ。
戸崎はこんなにもあたしを好きでいてくれるんだ。
戸崎のために良くないと分かっていても、まるでライオンに狙われた鹿のように、逃げられなくなってしまうんだ。
大好きな戸崎を見上げた時、
「わー!アスールの戸崎柊だ!」
「足大丈夫なの?」
なんて声が聞こえて。
思わず紅くなって身を離す。
そんなあたしの手をぎゅっと引きながら戸崎は言った。
「俺の家、来い」
「えぇ!?」
「安心しろ。
こんな身体じゃ何も出来ねぇから」
その言葉に、やっぱり胸が痛んだ。