fantasista








戸崎の家は、豪邸ではなかった。

意外と普通の1LDKだった。

家自体はオートロック完備で新しいのだが……





「汚い……」



思わず顔をしかめる。




「あんた……ゴミ屋敷の住人だったの!?」




そう零してしまった。

戸崎のファンが見たら幻滅するに違いない。

そんな散らかった部屋だった。





床には脱ぎ散らかした服。

その中には練習着だと思われるユニフォームやジャージもある。

ソファーには読みかけの漫画と、使われていなさそうなサポーター。

そして、机の上にはカップラーメンと食べかけのゼリー。



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