fantasista




戸崎は不満そうにベッドに座り、あたしを見ていた。

途中、「もういい」とか「やる」とか、訳の分からないことを口にして。

その度にあたしは、「黙ってて」と罵った。





最近の戸崎は素直で甘すぎて、あたしの知っている戸崎とは違っていた。

だけどこうやって距離を置いて掃除に夢中になっていれば、昔の関係に戻っている気になった。

友達みたいに冗談を言って、笑い合う関係に。


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