fantasista
「行けぇー!!」
画面の中を黄色いユニフォームに身を包んだ男性が走る。
迫りくるディフェンス勢を抜いて、サイドにパスを繰り出す。
そして……
「シュート!!」
鋭いシュートが、ゴールポストを抉った。
「あたしの勝ち!
あんた昔からサッカー弱いね」
「うるせぇな。
お前ブラジルだろ?卑怯だ」
戸崎はそう言ってコントローラーを置いた。
「それにしても、女でウィイレ強いって……
やっぱり、オトコオンナだ」
屁理屈を言う戸崎は、両親からもらったというイチゴミルクをぐいっと飲んだ。