fantasista
「俺、毎年行ってんだよな」
戸崎がぽつりとこぼす。
「今までは、山形が来るかもしれないと思って出席していた。
お前が来なくても、何か情報を知る奴がいるかもしれねぇって」
そうなんだ……
戸崎はそんなに必死であたしを探してくれていたんだ。
その事実に胸が痛む。
「でも、今年は山形と出席したい。
あいつらに自慢してやるんだ」
「自慢もなにも……
あたしは、オトコオンナのペチャパイだよ?」