fantasista
GAME.10 カウンターアタック
ーみどりsideー
「大丈夫だ。
もう何も言うな」
戸崎は優しくあたしに告げ、あたしをぎゅっと抱きしめる。
戸崎の腕の中で、あたしは涙を流し続けた。
なんで泣いているのだろう。
あたしが泣く資格なんてあるわけないのに。
戸崎のことを散々チャラいとか言ったくせに、チャラいのはあたしのほうだった。
戸崎がいるのに、こんなに大好きな戸崎がいるのに、竹中君と関係を持とうとした。
キスもしてしまったし、裸だって見られた。
それを告げると、戸崎はどんな顔をするだろう。
戸崎はきっと、すごく優しい顔をして……
泣くのかもしれない。