fantasista




「例えお前が竹中に抱かれようと、離さねぇから」




戸崎……知ってるんだ。

あたしの最低な行為を知った上で、なんでそんなことが言えるの?





口を噤んで戸崎を見る。




「俺が一番だ。

俺が一番、お前のことが好きなんだ」



「分かってるよ……」




戸崎の気持ちは本物だって気付いていたし、あたしにだって戸崎しかいない。

それなのに、あたしは……





「やっと戻ってきた。

すげぇ嬉しい」




その言葉に、また涙が出た。



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