fantasista
「うわぁー……みどりちゃん、なんて顔してるの?」
次の日、オフィスに着くなり舞さんがあたしを見て目を見開いた。
「ちょっと眠れなくて……」
そう言いつつも下を向くあたし。
舞さんが驚くのは無理もない。
あたしの目は腫れ、化粧をしても隠せないほどなのだ。
「ごめん……
あたしが変なことを言ったせいだよね?」
そう言う舞さんに、いえと答える。
「舞さんのおかげで、あいつしかいないということが分かりました。
でも、あたしはあいつを傷つけました」
戸崎のことを考えると、また涙が出てきそうだった。