fantasista







戸崎は切なげにあたしを見て笑った。

その笑顔から目が離せない。

そして……

唇を重ねた。







今まで我慢していたもの全てを吐き出すようなキスだった。

甘く激しく、頭が真っ白になるようなキス。

唇を離し、顔を見合わせて笑う。

すごく優しげな戸崎に、胸が狂って落ち着かない。

再び唇を合わせ……

彼はあたしのシャツのボタンを開けた。





「……見ないで。ペチャパイだから」




顔を真っ赤にして胸を隠すあたしの手を、戸崎はそっと引き剥がす。

そして、優しい顔であたしの頰に口付けする。


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