fantasista





「山形……すげぇ綺麗。

こんな山形を俺のものに出来るなんて……」




泣きそうな顔で笑う戸崎を見て、あたしも泣きそうになった。

そして……

ゆっくりTシャツを脱ぐ戸崎。

鍛えられたその身体が露わになり……ーーーー

あたしはそれに触れていた。





厚い胸板に、割れた腹筋。

まるで彫刻のようで目が離せない。

高校の時代はこんな身体ではなかった。

トップアスリートになるために、日々努力しているのだと悟る。

その頑強な身体で……戸崎はあたしを抱きしめた。

きつく、優しく。

だからあたしも、戸崎を抱きしめる。

もう二度と離さないように。


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