fantasista






戸崎が触れた部分が、焼けるように熱い。

頭がぼーっと熱を持っている。

溢れそうになる声をぐっとこらえ、熱い吐息を吐く。

何度も唇を合わせ、その身体を抱きしめた。





「山形……いいか?」




こくりと頷くあたしを見て、戸崎はまた泣きそうな笑顔を作る。

だからあたしも戸崎を見て笑っていた。




もう、何も怖くなかった。

戸崎がこんなにも優しいから。

そして、ようやく戸崎のものになれることが、この上なく嬉しい。


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