fantasista



あまりの痛みに目を閉じた。

戸崎はあたしを優しく抱きしめたまま、瞼に唇を付けた。

ビクッとして、思わず目を開けてしまう。

暗闇に浮かぶ戸崎は、切なげに目を細めあたしを見る。

その顔が狂おしいほど愛しくて、こうも戸崎に愛されて、すごく幸せだと思った。

ぼーっとする頭の中、戸崎を見て笑う。

すると、彼は恥ずかしそうに首を竦め、あたしの髪を撫でる。

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