fantasista
「戸崎選手!1アシスト、2ゴール。
素晴らしいプレーでした」
「ありがとうございます」
ヒーローインタビューを受ける戸崎が映り、胸の高鳴りが鳴り止まない。
あたしは、戸崎に釘付けになる。
激しい戦いに満身創痍の戸崎は、しっかり地面を踏みしめ、背筋を伸ばしてこっちを見る。
その不敵な笑みに、何回狂わされただろうか。
「今日の活躍は目を見張るものがありました。
新しいファンタジスタの誕生です」
スタジアムは割れんばかりの歓声に満たされる。
そして、戸崎コールが起こる。
その壮大な青い景色を見て、また涙が溢れそうになった。
「俺には勝利の女神がついていますから」
彼は目を細めて嬉しそうに言った。
ー完ー