fantasista




売り言葉に買い言葉。

戸崎はあたしが吹っかけた喧嘩を買うだろう。

そう思ったが……




「関係あるんだ!

はやく俺に教えやがれ!!」




その口調は相変わらずだが、意外な言葉が返ってくる。

そんな戸崎の後ろで、



「わー!アスールの戸崎柊じゃない?」



なんて言葉が聞こえる。




きっと、戸崎はまた注目を浴びているんだろう。

昔から注目を浴びるのは好きな男だった。






「あーもう!

てめぇ吐かねぇなら、徹底的に調べてやる!

俺はてめぇに言いたいことがあるんだよ!!」





言いたいこと?

もしかして、戸崎はあたしをボコボコに打ちのめすのか。

……そうだよね、卒業と同時に黙ってばっくれた女だから。



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