fantasista





すれ違う人の視線を感じる。

きっと、アスールの戸崎柊がフツーの女と歩いているからだ。

人々の視線を集める戸崎は、人気者だと改めて思った。

そんな視線が気にならないくらい、あたしは戸崎に夢中だった。




あたしの記憶より、背が伸びて筋肉質になった戸崎。

そんな戸崎の身体に、繋がれた手に、アタマがおかしくなりそうなほど焦がされていた。





そして……






「とりあえず、メシでも食うか。

何食いてぇ?」




そう言う戸崎に、わざと言ってやる。




「マック」



「……はぁ?夜だぞ?」



「マックでいいの!」


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