fantasista
我ながら、なんて色気も可愛げもない女だろう。
久しぶりのデートで、マックに行くなんて。
でも……
戸崎と通ったマックを思い出してしまった。
学校の帰りに二人で寄って、シェイクを飲んで、部活がどうだとか、授業がどうだとか話をした。
そんなあの頃が懐かしい。
「あーもう!仕方ねぇな。
相変わらず手が焼ける女だ」
戸崎はそう言ってあたしの手を引きながら、高校生がたむろするマックの中へと入っていった。