fantasista






騒がしい店内で、戸崎はジュースを飲みながらあたしをじろじろ見る。

あたしだって戸崎を見てやりたいのに、やっぱり出来なくて、赤くなって俯く。

そんなあたしに、とうとう戸崎が口を開いた。





「聞きたいことはいっぱいあるんだけどさぁ……

なんでばっくれたんだ?」




あまりにも単刀直入に聞かれて、ぽかーんとして戸崎を見た。






机を挟んで向こう側に座っている戸崎は、昨日の試合で見たままのかっこいい戸崎だった。

それでも、ダルそうにジュースを持つ仕草や、髪を搔き上げる仕草はあの頃と一緒。

戸崎を見て、いちいちドキドキしてしまった。


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