fantasista





もちろん、戸崎はあたしの考えていることなんて分かるはずもなく。




「俺、我慢しないっつったよな」




静かに告げる。

そして、再びあたしを見た。

その瞳からはさっきの戸惑いなんて消えていて。

まるで獲物を狙う野獣のように鋭く、とろけるスイーツのように甘く、あたしを捉える。

その瞳に、体の奥底が再びふつふつと沸き立つのだった。



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