fantasista
「なぁ、山形。
この前の話の続きがある」
戸崎はあたしを抱きしめたまま、静かに告げる。
相変わらず甘ったるくて優しい声で、頭がおかしくなってしまいそう。
そんな戸崎に反撃も出来ず、ただ必死にこくこくと頷いた。
「俺はペチャパイでオトコオンナのお前が好きだった。
ペチャパイでオトコオンナでも、十分魅力的だった」
いつもなら、煩いとげんこつでもお見舞いするところだ。
だけど、戸崎がやたら甘くて。
そして、あたしを抱きしめるその身体が熱くて。
あたしは反撃すら出来ない。