fantasista





そのまま引き合うように顔が近付き……

唇が触れる。

柔らかくて生温い、その唇に触れる。

大好きな戸崎の香りが鼻腔を刺激する。

それが麻薬のように頭を痺れさせる。





軽いキスは次第に激しくなり、重ねた唇から吐息が漏れた。

頭がくらくらして、立っていられなくなる。

そんなあたしの身体を優しくしっかり支えたまま、あたしを貪った。




こんなキス、初めてだった。

戸崎の存在を深く刻み付けるような、ひたすら甘いキスだった。






やがて、名残惜しそうに唇が離れ、意識を失いそうなあたしを抱きしめたまま、切なげに戸崎が言う。





「早く俺の女になれよ」


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