fantasista
部室の隣の使われていない部屋。
そこにあたしたちマネージャーは内緒で荷物を置いていた。
その荷物を取りに行こうと開けた扉の向こうに彼はいた。
ブラウスのボタンを開けた女子の胸を掴み、もう片方の腕で彼女を抱き寄せ、身体を重ねている彼が。
彼と視線がぶつかって、あたしは急いで扉を閉めた。
……チャラいって分かっているのに。
猿だって分かっているのに。
実際その光景を目の前にしたら、雷に打たれたようなショックを受けた。
あたしは全身で泣いていた……