fantasista
GAME.5 オフサイド
「あのさ……みどりちゃん」
遅刻ギリギリでオフィスに滑り込んだあたしを、じろじろと舞さんが見ている。
その視線を避けるように、あたしは俯いた。
「見ないふりをするのがいいんだろうけど、気になるから聞いていい?」
そう言う舞さんに、
「はい」
弱々しく頷いた。
舞さんが聞きたいこと、それはなんとなく分かっている。
あたしは戸崎と一夜を過ごし、寝坊して慌てて出社した。
髪はボサボサだし、化粧はテキトーだし、昨日と同じ服。
突っ込みどころ満載だ。
そして、
「みどりちゃん!彼氏と上手くいったんだ!」
舞さんはやっぱりそうきた。