fantasista
ここ数日で、あたしの日常はがらっと変わった。
楽しみもなく仕事をして生きていた日々が、キラキラと輝きを取り戻したようだった。
……戸崎に会いたい。
あの笑顔が見たい。
どうしようもない馬鹿な話をしたい。
そして、優しく抱きしめて欲しい。
あたし、こうも戸崎に溺れているんだ。
「寂しいなら、飲みにでも行く?」
舞さんの言葉に目を輝かせる。
もちろん彼氏が戸崎柊なんてことは言わないが、あたしの惚気話を聞いて欲しい。
そんなあたしに、舞さんは少し遠慮がちに言った。
「ただ……今日は知り合いと一緒に、スポーツバーに行くのよ。
アスール東京が仙台で試合をするから、それを応援するために」