先生、私また風邪を引いたみたいです!
ーーーコツコツコツコツ
足音が近づいてくるのが分かる
私は重い目をゆっくり開ける
ーーーーうわ、電気眩しい…
「武田さん、目覚めましたか?」
この声は前に聞いたことがある
結城直也
あぁ、やっぱり声はイケメン
低くてしっかりした声
「……はい」
私は横になったまま結城直也を見た
あっ………あれ?
今日はマスクしてないじゃん
しかも、なに?
鼻筋はスッと綺麗で
薄くてカタチのいい唇
唇の右下に小さなホクロ
有り得ない
こんなイケメンがこんな近くにいるだ
下からのアングル最高かよ
「お熱、あるみたいですね」
結城直也は私のおでこに手を当てて眉毛を下げて少し心配そうな顔をした
一気に神経がおでこに当てられた手へと集まる
絶対また熱上がったよこれ
そのドキドキを隠すように、私はだるい体を起こし診察台に座った
結城直也は私と目線を合わせるため私の目の前にしゃがんでまた心配そうに私を見つめる
「診察室行きましょうか?立てます?」
「立てない、です」
やだ、私
大胆!!
「………じゃあ、担いでもいいですか?」
あくまでも爽やかに笑った
有り得ない
なにその笑顔
しかも担ぐって、私は米俵か何か?
「…大丈夫です、歩けますよ」
私は少し拗ねたようにほっぺたを膨らませ立ち上がろうとした
その時ーーーー