先生、私また風邪を引いたみたいです!
が、しかし
そんな甘いひと時は一瞬
「はい、椅子に座って下さい」
下ろされた
名残り惜しいような、やっと落ち着けるから安心したような
何とも複雑なこの気持ち
意味わかんない
多分熱で頭おかしくなったんだ
「喉見ますね……あー扁桃腺腫れてますね」
喉を見るなり痛々しそうな顔をした結城直也
「聴診器当てますね」
ゆっくりしっかり音を聞く真剣な顔をした結城直也
「武田さん、かなり扁桃腺が腫れてて、扁桃腺炎になってます。熱は2~3日で引くと思います。お薬出しときますので、しっかり休養をしてしっかりお薬飲んで治して下さい」
あぁ、本当にこの人医者なんだ
「武田さん?」
莉央の言う通りこの人イケメンだよ
マスクを取ってもイケメン
「武田さん、1人で帰れますか?」
「……え?」
我に返った
「住所…お家まで30分くらいかかりますよね?」
帰れないって言ったらどうする?
無性に結城直也を困らせたくなった