先生、私また風邪を引いたみたいです!
「着いたよ」
家の前に静かに止まる車
ハンドルに手を置いたまま私に体を向ける結城直也
同時に寂しさがこみ上げてくる
彼女じゃないのに、ワガママだね
時間が止まってしまえばいいのに
本気でそう思った
「名前……結城直也って言うんですね」
ちょっとでも一緒にいたいから
そんなどうでもいい事を言ってしまった
結城直也は早く帰りたいかな?
ごめんね
もう少しだけ一緒にいたいよ