好きだから……
―圭一side-
「河原先生」と俺は職員室で、仕事をしている河原に声をかけた。
「あ?」と気だるそうに河原が、振り返った。
「美島? 東山先生なら、職員室にいないぞ」
「見ればわかる質問を俺がすると?」
「あ~、たしかに。ついな、あいつらといるから、思考が低下してんのかな」
河原が、ぼりぼりと後頭部をかいた。
河原が言う「あいつら」のなかに、絢も入ってるんだろうな。ムカつくな。
「俺に用か?」
「ええ。河原先生にお伝えしておこうと思って。土屋の件に関して、期末の結果を見て、訂正をしてもらうと」
「はい?」
「『救いようのないただのバカ』と土屋を位置づけしてましたよね? 期末で『救いようのないただのバカ』ではないことを証明しますから」
「お前が?」
「いえ、試験を受けるのは土屋ですから。土屋が、証明します」
「ほほう~」と河原がニヤッと笑い、あごに手をあてて「出来なかったら?」と眉を引き上げた。
「東山先生との飲み会をセッティングしましょうか?」
「お前にできるのか?」
「それは河原先生ご自身がよくご存じなのでは?」
「……ったく。天才児のイケメン野郎め。ムカつくな、美島」
俺はクスッと笑うと、河原の耳に口を近づけた。
「河原先生」と俺は職員室で、仕事をしている河原に声をかけた。
「あ?」と気だるそうに河原が、振り返った。
「美島? 東山先生なら、職員室にいないぞ」
「見ればわかる質問を俺がすると?」
「あ~、たしかに。ついな、あいつらといるから、思考が低下してんのかな」
河原が、ぼりぼりと後頭部をかいた。
河原が言う「あいつら」のなかに、絢も入ってるんだろうな。ムカつくな。
「俺に用か?」
「ええ。河原先生にお伝えしておこうと思って。土屋の件に関して、期末の結果を見て、訂正をしてもらうと」
「はい?」
「『救いようのないただのバカ』と土屋を位置づけしてましたよね? 期末で『救いようのないただのバカ』ではないことを証明しますから」
「お前が?」
「いえ、試験を受けるのは土屋ですから。土屋が、証明します」
「ほほう~」と河原がニヤッと笑い、あごに手をあてて「出来なかったら?」と眉を引き上げた。
「東山先生との飲み会をセッティングしましょうか?」
「お前にできるのか?」
「それは河原先生ご自身がよくご存じなのでは?」
「……ったく。天才児のイケメン野郎め。ムカつくな、美島」
俺はクスッと笑うと、河原の耳に口を近づけた。