好きだから……
「お前さあ、美島と付き合ってんの?」と京ちゃんが、期末試験結果を眺めているあたしたちに声をかけてきた。

「えっ!? ええ?」とあたしは、答えると顔が真っ赤になっていくのがわかる。
 頬が熱くて、頬をパタパタと手で仰いだ。

「絢ちゃん、そうなの!?」
「絢が!? まじかよ。いつの間に?」
 ちぃちゃんと、カナちゃんが大きな声をあげた。

「ええ!?」とあたしはまた驚きの声をあげて、京ちゃんに目をやった。

「中間のあとに、美島から宣戦布告を受けたんだよなあ。『土屋の期末結果を見ろ』って」
「期末結果」とあたしは、京ちゃんの言葉を繰り返して、張り出されている表に目を戻した。

「見事に3バカトリオから外れたな。絢、2-Cレベルじゃん、成績。100位以内にはいってる」
「要、そこなんだよ。2-Gのクラス内上位なら、『お? とうとうカンニングか?』ってなるのによ。91位だと、絶対にカンニングはあり得ないだろ?」と、京ちゃんが腕を組んで、首を傾げた。

「絢ちゃん、美島君に教えてもらったの?」
「え? あ……うん。たまに図書室でちょっと、ね」

 ラインとか、電話でも教わったけど。

「美島に何が起きたんだ?」とカナちゃんが不思議そうな表情をする。
「さ、さあ?」とあたしは首を傾げた。

「河原先生、前言撤回していただけますよね?」
 背後から声がして、振り返ると「T3」の三人組が立っていた。
 先頭に圭ちゃんが立っている。

「み~し~ま~」と京ちゃんが地を這うような声を出す。
「俺、有言実行しましたよ」
 圭ちゃんが、ニヤリと勝ち誇った笑みを浮かべた。

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