好きだから……
「動画?」
「え? あれ? 青田さん、知らないんですか? 『カナカナ』っていうゲーム実況者。あれ、要ちゃんなんですよ」
馬鹿か、千里。
みどりが知ってるわけねえだろ!
勉強一筋なんだから。
動画なんて見てる余裕なんか……。
「え? 『カナカナ』が要!?」とみどりが驚いた声をあげた。
「え?」と俺も視線をあげて、みどりを見る。
みどりの顔がみるみる赤くなっていくのがわかる。
は? え? 知ってる……のか?
「要が『カナカナ』!?」
再度、みどりが問う。
「そうですよ~。要ちゃんです~。青田さん、知ってるんですねえ」
千里が両手で、俺に向かって手を振った。まるで「この方でーす」と言わんばかりのジェスチャーだ。
「要が……『カナカナ』」とみどりが呟き、俺の後ろで腰を抜かした。
「ほら、ここが作業部屋」と俺がユーチューブの動画アップに使っている部屋を見せた。
「え? ここ美香ちゃんの部屋じゃ……」
「引っ越したばっかのときは、な。今、美香は俺らがアレで使ってるベッドで寝てる。美香個人の部屋はない」
「はい!? ちょ……え? じゃ……私、美香ちゃんの部屋で……」
「基本は俺の部屋。ベッドだけ美香の。動画だけでどうにか生活できるようになってきたら、美香がダイニングで寝るから、作業部屋に使っていいって。だからって妹を床に寝かせるわけにはいかねえだろ。だからベットだけ、美香に使ってもらって、俺が床で寝てる。まあ、作業部屋の椅子で寝ることもあるけど。もう少し収入があがりゃあ、広くて部屋数のあるとこに引っ越してえけど……まだ未成年だしな。親戚に頭下げにいくのも、かったるいから。とりあえず成人するまでは、ここでどうにか暮らす予定」
みどりが作業部屋に入って、白いパソ画面を指で撫でた。
「ここが『カナカナ』の……」と呟いて、瞼を閉じた。
「え? あれ? 青田さん、知らないんですか? 『カナカナ』っていうゲーム実況者。あれ、要ちゃんなんですよ」
馬鹿か、千里。
みどりが知ってるわけねえだろ!
勉強一筋なんだから。
動画なんて見てる余裕なんか……。
「え? 『カナカナ』が要!?」とみどりが驚いた声をあげた。
「え?」と俺も視線をあげて、みどりを見る。
みどりの顔がみるみる赤くなっていくのがわかる。
は? え? 知ってる……のか?
「要が『カナカナ』!?」
再度、みどりが問う。
「そうですよ~。要ちゃんです~。青田さん、知ってるんですねえ」
千里が両手で、俺に向かって手を振った。まるで「この方でーす」と言わんばかりのジェスチャーだ。
「要が……『カナカナ』」とみどりが呟き、俺の後ろで腰を抜かした。
「ほら、ここが作業部屋」と俺がユーチューブの動画アップに使っている部屋を見せた。
「え? ここ美香ちゃんの部屋じゃ……」
「引っ越したばっかのときは、な。今、美香は俺らがアレで使ってるベッドで寝てる。美香個人の部屋はない」
「はい!? ちょ……え? じゃ……私、美香ちゃんの部屋で……」
「基本は俺の部屋。ベッドだけ美香の。動画だけでどうにか生活できるようになってきたら、美香がダイニングで寝るから、作業部屋に使っていいって。だからって妹を床に寝かせるわけにはいかねえだろ。だからベットだけ、美香に使ってもらって、俺が床で寝てる。まあ、作業部屋の椅子で寝ることもあるけど。もう少し収入があがりゃあ、広くて部屋数のあるとこに引っ越してえけど……まだ未成年だしな。親戚に頭下げにいくのも、かったるいから。とりあえず成人するまでは、ここでどうにか暮らす予定」
みどりが作業部屋に入って、白いパソ画面を指で撫でた。
「ここが『カナカナ』の……」と呟いて、瞼を閉じた。