好きにさせてよ!❤️一途女子VSクーデレ男子❤️
「…何?」
里中は今度は振り返らず、前を向いたまま返事をした。
「~っ」
そして勢いで言ってしまった次のあたしの言葉は本望だった。
「あ、あたしの事、好きになりなよ!」
「…はぁ?」
その突拍子もない告白に、里中は眉を潜めて此方を振り返った。
黒い髪、白い肌、薄い唇。
黒縁フレームの眼鏡の奥の焦げ茶色の瞳が
あたしを、捉える。
ドクン、と胸が高鳴る。
苦しい程に。
「お前、何言って――」
「あたしさ、結構モノマネとか得意なんだよね!」
「はぁ?」
「例えば、そうだ!
古典の谷本先生のモノマネ!」
妙にテンション高く宣言して、
“助動詞の活用形~
こーきーくるっくれっこ、こよ…!”
なんて先生の声色を真似て再現してみたら。