好きにさせてよ!❤️一途女子VSクーデレ男子❤️
「…変質者」
ぼそっと呟く声が聞こえて。
「ちょっと、失礼な…」
“事言わないでよっ!”
そう後に続ける筈だったのに。
後ろを振り向いたあたしは絶句した。
其処には――
「さ、里中っ!」
迷惑そうな顔をした里中泉が突っ立っていた。
「お、おはようっ!」
あわあわと挨拶をするあたしを
じっ、と見ながら里中は返事を返してくれた。
「…はよ」
自己嫌悪に陥ってた所を里中に見られてしまうなんてっ…!
って言うか、昨日の今日で、
気、気まずい…。
里中の顔を直視出来無くて視線が自然と下へと落ちる。
とぼとぼと歩くあたし。
その横を里中は颯爽と通り過ぎて行った。
足音に効果音を付けるなら“すたすた”と言う感じ。
あ、行っちゃう。
もっと話していたかったんだけどな…。