好きにさせてよ!❤️一途女子VSクーデレ男子❤️
「あたし、里中の所に行って来るね!」
そう言うや否や渡り廊下方面に向かって走り出す。
「頑張りなよー」
後ろから聞こえる縡ちゃんの声援に“うんっ!”と返事をし、
階段を駆け降り、一階へ急いだ。
階段を駆け降りると目の前には渡り廊下。
其処をゆっくりと歩いている里中の後ろ姿に胸が弾む。
あたしが後ろにいる事、気付いてないよねー。
どうせなら驚かしちゃおっかな、へへ。
ちょっぴり悪戯心を抱いて、里中の後ろをそろそろと歩く。
ゆっくり、ゆっくり…
心の中で呟きながら抜き足差し足で少しずつ里中との距離を縮めていく。
よぉし、あともう少し!
里中との間合いが20cm程になった時だった。
「わっ!」
短く叫んであたしは里中の背中を両手でドンッと押した。