恋のお楽しみは年下上司と業務外指示から
鉄の女王と呼ばれるぐらい、無敵であろうと努力した。

すべての根源は自分の過去に原因はあるんだけど。

気にしてもしかたない。

まずは自分を磨くことに専念した。

容姿に関していえば、他の女性、男性社員いわく、ため息がもれるぐらいのいい女といってくれる。

幼少期から大学生までずっと栗色の肩まであるストレートヘアから最近、少しだけ緩くパーマをあてた。

ブランドのスーツ、ブランドの下着、ブランドの靴やバッグは、給料があがるごとにバージョンアップさせた。

アクセサリー、化粧や美容に時間とお金をかけていた甲斐はあった。

新入社員のときは先輩男子社員やおじさん社員がわたしの後ろを歩いては話すキッカケを逃さまいとしていた。

ただ恋愛に関していえば落第点がとれるので、わたしの恋愛経験のなさに男たちはわたしの前から散った。

ちゃんとした恋愛、しておけばよかったな、と後悔する。

学生時代のあの件がなければ、今頃は愛する人たちに囲まれながら平和に暮らしていたんだろうなあ。

彼を思い出すたびに、心がざわつく。

「桜庭主任、クラウドに資料、アップしたのでみてください」

と、後輩男子から声がかかる。

「ありがとう。確認しておくから、続きを進めて」

そういうと、後輩男子は照れながらパソコンに向かい、仕事を進める。

夢なんかみていたって仕方がない。

まずは目の前の仕事を片付けなきゃ。
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