溺愛CEOといきなり新婚生活!?

「結婚願望が強すぎる女は重たいって言うじゃないですか」
「あぁ……」

 私が少し落ち込んだ理由を聞いて、彼は納得した反応をした。


「そんなことないと思うよ。ぜひとも結婚してほしいけどね、貴重なお客様でもあるし」
「…………」

 サンプリングマリッジをしているからとはいえ、CEOとして返事をされたくなかったな。
 そんなことはないと思うし、結婚はいいものだと思うよって、ごく普通の返事で十分だったのに。
 少しだけ唇を突きだしてムッとすると、永井さんが人差し指で触れてきた。


「っ……なんですか」
「そういうかわいいことしないの」
「だって……やっぱり重たいから、仕事を絡めて返事したのかなって」

 真剣だけど穏やかな瞳で見つめ返されて、それ以上を言い淀む。


「違うよ。花澄を奪えなかった時はそう思って諦めるしかない、俺のヤキモチ」

 永井さんがあまりにも堂々としているから、私の方が赤面してしまった。


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